現場はそんなヒマじゃない ― 小さく始めて、大きくしていく方法
【はじめに】「正しさ」より「通用するもの」を語れ
最近よく見かける “ 新規荷主獲得セミナー ” 。
DXがどう、GXがこう、ソリューション提案が重要だ、パートナーシップがどうのこうの…。
正論ですね。理想論とも言えます。でも、物流現場はそんな理想を語ってるヒマはないんですよ。
- 荷待ちで何時間も拘束されて帰れないドライバー
- 倉庫の収支が合わず、設備投資どころか修繕すら後回し
- 輸送原価が上がっても、荷主は一銭も値上げしてくれない
- 属人的な営業が辞めると、荷主も一緒に無くなる
そんな現実に向き合っている中小物流会社に向かって、
「KPI指標を使って提案営業をしましょう」なんて言われても、ピンと来るわけがないんです。
だから、あえてここでは叫びます。
論理的なこと=理想=きれいごとは、営業では役に立たない。
武器になるのは、“ 語れるストーリー ” と “ 回せる仕組み ” です。
【構造編】マーケティングとは「構え」の設計だ
「マーケティングなんて、うちには関係ない」
そう思っている経営者がいたら、今すぐ考え直してください。
マーケティングとは、「仕組みづくり」です。
それも、“売るための型”を社内に持たせる仕組みです。
ここでよくある誤解:
- ❌ 何かを発信することがマーケティングだと思っている
- ❌ InstagramやHPを作ったらマーケティングになると思っている
- ❌ 担当者を1人雇ったら回ると思っている
全部間違い。
正解はこうです。
“ 認知 → 信頼 → 行動 ”の3ステップを、
毎月「どこをどう強化するか」決めて、営業会議で回すこと。
つまり、マーケティングとは「営業戦の指揮所を設計すること」なんです。
【実践編①】「認知」=“ やってる感 ” を出せ!
物流業界は「無口すぎる」のです。
こんなに努力してるのに、何も伝えない。だから誰も知らない。
「ウチは堅実がウリでして…」
その“堅実”が黙っていても伝わる時代は終わりました。
情報発信なんて言うと、SNSやブログと思いがちですが、そんなものは2の次。
まずFAX1枚、メール1本で十分です。
- 今月、〇〇センターが稼働しました
- 新しいドライバー教育制度を始めました
- BCP対応のため、ハザードマップ外へ移転しました
ただの報告でも、「きちんとしてる会社」だと伝わる。
これが認知の第一歩です。
「営業資料がないから営業できない」なんて甘えは、もうやめにしましょう。
【実践編②】「信頼」=“ 語れる過去 ” のストックだ!
「信頼されるには実績が要る」
たしかにそうですが、“ 語れる実績 ” を社内に溜めてますか?
物流の現場には、すでに無数の成功事例が転がっています。
- トラブルをうまく処理して荷主に感謝された話
- 工場移転に伴う配送ルートを3日で再構築した話
- 難しい危険物を扱える倉庫を紹介して、他社から切り替えてもらった話
こうした「語れる過去」を、営業会議で共有して記録しておく。
そして、メール・PDF・ブログとして再利用する。
顧客が信頼するのは「演出された言葉」ではなく「実話」です。
それが中小物流の最大の武器なのに、皆それを隠してる。もったいない。
【実践編③】「行動」=“ 受け皿 ” を設計せよ!
「問い合わせが来たら、ちゃんと受けられますか?」
これ、意外とできていない会社が多いんです。
- 営業に直通番号がない
- ホームページのフォームが埋もれている
- せっかく来たメールに、返事が3日後
これじゃあ、どんなに発信しても意味がない。
最低限でもいいんです。
- 電話なら「〇〇営業課につなぎます」
- メールなら「◯営業担当が折返します」
- 説明会なら「週1回30分Zoomで話します」
受け皿こそが “ 行動させる最後の決め手 ” 。
マーケティングの仕上げは、すべてここにかかっています。
【組織編】担当者がいなくても“回る構え”を作る
「マーケティング担当がいない」
よく聞きます。たしかに余裕がない会社も多いでしょう。
でも、だったらどうするか?
社長自ら、30分だけ「戦略の時間」を作るんです。
やることは3つだけ:
- 「先月、どんな反応があったか?」
- 「今月、何を試すか?」
- 「来月、何をやめるか?」
それを営業会議や朝礼に組み込むだけ。
誰がやるかではなく、仕組みとして社内に埋め込むことが重要です。
【習慣化編】3つの“手作業”が会社を変える
派手なマーケ施策は不要。中小物流に効くのは、“ 地味な反復 ” の積み重ねです。
① 営業会議の定例化(30分で十分)
- 数字を見るのではなく、「動きと反応」を共有
- 営業以外の現場社員も巻き込むと、視野が広がる
② FAX-DMやメールを月1本
- 文面を固定し、社内でテンプレ化
- 反応があったら、都度フィードバック
③ 営業ストーリーの蓄積
- 成功事例を1枚A4にまとめる
- 小冊子や説明資料に再利用できるようにフォーマットを整備
この3つを“手作業”で回すだけで、営業文化は変わりはじめます。
【断言】「売る力」は才能じゃない。設計できる
結論を言います。
「売る力」は、生まれつきの才能ではなく、社内文化として設計できるものです。
“ 現場で拾った物語 ” と “ それを伝える技術 ”
そして “ 試して、やめて、続ける ” 小さなPDCA。
これらを持っている会社は、
CRMがなくても、MAツールがなくても、売上を伸ばせます。
2026年以降、あなたの会社はどう戦いますか?
- 競合が皆、システムに金をかけて疲弊する中で
- あなたは「語りの武器」と「毎月の振り返り」で、着実に荷主を掴んでいく
そんな会社にしていきましょう。
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