トヨタ生産方式に学ぶ「7つのムダ」

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物流事業における見えにくい非効率を洗い出す


「うちは製造業じゃないから、トヨタ生産方式なんて関係ない」
そう思っていませんか?

確かにトヨタ生産方式(TPS)は、自動車製造の現場から生まれた生産管理の方法論です。しかし、その根本にあるのは「ムダの徹底排除」という考え方。これは製造業に限らず、物流業にこそ必要な視点です。

物流業界においては、作業の流れが複雑で、人・モノ・情報が多様に絡み合います。その中には“見えにくいムダ”が多く潜んでいます。今回は、トヨタ生産方式で定義された「7つのムダ」を、物流会社の事業運営に置き換えて解説し、実際の業務改善に活かす視点をお届けします。


■ トヨタ生産方式の「7つのムダ」とは

まずは原型を確認しておきましょう。TPSでは、以下の7つが「ムダ」として定義されています。

  1. 加工のムダ
  2. 在庫のムダ
  3. 造りすぎのムダ
  4. 手持ちのムダ
  5. 動作のムダ
  6. 運搬のムダ
  7. 不良・手直しのムダ

これらは製造現場における効率低下の原因として、徹底して排除すべき対象とされてきました。それでは、物流業の現場ではこれらがどう表れるのでしょうか。


■ 1. 加工のムダ:必要のない作業をしていませんか?

製造業でいう「加工のムダ」は、本来必要のない工程や過剰品質のことです。
物流現場に置き換えると以下のようなケースが該当します:

  • 二重三重の検品作業(荷主の要望を上回るレベルの過剰品質)
  • 必要のないラベル貼付や帳票の印刷
  • 同じ内容の情報を複数のシステムに手入力する
  • WMSと紙リストの併用(ミス防止のつもりが逆に非効率)

これらは一見「丁寧な仕事」に見えますが、顧客が望んでいないことであればムダです。
業務を棚卸しして「やらなくても困らない作業」があれば、それは見直しの対象になります。


■ 2. 在庫のムダ:滞留品、死蔵品がスペースを圧迫していませんか?

在庫は「宝」になることもありますが、物流業ではしばしば「ムダの温床」にもなります。

  • 長期間動かない荷物(デッドストック)
  • 保管期限が不明確な商品
  • 荷主の都合で置かれたままの保管品
  • 倉庫スペースを圧迫するだけで回転しない在庫

在庫のムダは、保管スペースの稼働率や、出荷作業の効率に大きく影響します。
滞留=キャッシュフローの悪化に直結することを忘れてはいけません。

定期的な在庫棚卸しや、保管期限ルールの明文化は、ムダ排除の第一歩です。


■ 3. 造りすぎのムダ:やりすぎていませんか?

製造業における「造りすぎ」は、需要を超えてモノを作りすぎること。
物流現場では、「相手が望んでいないサービスを、勝手に先回りしてやってしまうこと」がこれに当たります。

  • 出荷予定のない荷物に事前仕分けや検品を行う
  • ラベルや書類を必要以上に作成
  • 指示が来ていないのに勝手に作業を進めてしまう

これは一見、先回りの気配りのようでいて、結果として二度手間・三度手間になることも多いです。
「造りすぎ」は、そのまま「やり直しのリスク」を生む原因でもあるのです。


■ 4. 手持ちのムダ:人も設備も「待っている」時間がムダ

「人が作業をしていない時間」=ムダ
これがTPSの「手待ちのムダ」です。

物流現場では以下のような場面が該当します:

  • トラックの待機(積込みの順番待ち)
  • 入荷・出荷作業の間に発生する空白時間
  • 作業者が仕事の指示を待っている状態
  • フォークリフトが空走している時間帯

作業をしていないということは、人件費や設備コストが空費されている状態。
改善のカギは「段取り力」と「情報共有の精度向上」です。
荷主とのスケジュール調整や、作業の可視化・平準化でムダを潰せます。


■ 5. 動作のムダ:動いていても、価値を生んでいないならムダ

よくある誤解のひとつに「動いていれば仕事をしている」というものがあります。
しかし、動作に“価値”が伴っていなければ、それは単なるエネルギーの浪費です。

  • ピッキング作業であちこち歩き回る(棚の配置がバラバラ)
  • フォークリフトの動線が交差して非効率
  • 作業者が必要なツールや情報を取りに行くために何度も移動

これらは、レイアウトの見直し作業導線の設計改善によって大きく削減できます。
「現場を歩いて観察する(現地現物)」ことが、ムダを見つける第一歩です。


■ 6. 運搬のムダ:動かしても、価値を生まない移動がある

物流=運ぶことが本業ですが、
「運ぶ=価値を生む」とは限りません。

  • 拠点間を意味もなく何度も横持ち
  • 倉庫内での保管場所移動が多い
  • 一度に運べる量を制限している(ピース運搬など)

ムダな運搬が多いということは、効率的なレイアウトや積載計画ができていない証拠です。
「1回で済ませられることを2回に分けていないか?」を見直すことから始めましょう。


■ 7. 不良・手直しのムダ:ミスは、再作業というムダを生む

物流における「不良品」とは何でしょうか?
それは「誤出荷」「誤配送」「積載ミス」など、間違ったサービスの提供です。

  • 送り先違い、品目違い、数量違いなどの出荷ミス
  • トラックの積載順序が違って再積込が必要になる
  • 伝票の不備による受取拒否、再配達

これらはすべて「もう一度やり直す」必要があるため、
時間・人件費・信用のすべてにダメージを与えます。

**ミスをゼロにする文化の醸成(ポカヨケ)**が、不良・手直しのムダを防ぐカギになります。


■ 来る5月23日(金)に、物流におけるトヨタ生産方式の7つのムダ徹底解剖セミナーを行います

物流業におけるムダは、日々の忙しさに紛れて見えにくくなっています。
しかし、ムダの存在に気づき、それを言語化し、仕組みとして改善していくことこそが、収益構造の再設計になります。

トヨタ生産方式の本質は、「現場の知恵でムダを潰し、品質と効率を最大化すること」。
あなたの現場にも、必ず応用できるヒントがあります。

もし、「ウチの業務にもムダが潜んでいそうだけど、どう見つければいいか分からない」という方がいれば、ぜひセミナーをご受講ください。
現場を一緒に歩き、ムダを見える化し、改善の糸口を見つける。そんな支援も私たちの仕事の一つです。


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